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「ネルドリップ抽出で高級コーヒーを抽出しています。」
などのキャッチフレーズで提供すれば、
より付加価値が高まる事はわかっていた。
結果的に
「ペーパードリップ抽出」を選択した。
職場の片隅にだれが目にすることもなく転がっていた、
確か「月刊レストラン」に
記載の記事を参考にした。
スターバックスの一号店出店前の頃で、
殆ど無名に等しい「バッハの店主のコメント」であった。
或る日
母親の10才以上年の離れた叔母が芦屋から訪ねて来た。
芦屋といってもお金持ちではない。
神戸に住んでいる頃のほうが裕福だった。
お土産に自分で「炊いたいかなご」を持って来てくれた。
私が幼い頃にまだ若かったため、
お姉ちゃんと呼んでいた。
高校の頃は、
○○高校の吉永小百合と言われていたらしい。
コーヒーが好きだと聞いていたため、
「飲みやすい!」
「おいしい!」「もらって帰りたい!」
「芦屋の友達紹介したるわ!」
などのコメントが聞けると期待したが、
「お姉ちゃん、こんな薄いコーヒーあかん!」
「飲んでるコーヒー見せたろか!」
「もっと深煎りや!」
え!芦屋大口顧客だと期待したのに!