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或る日

営業担当が

こんな講演会がありますが、

参加して頂けませんでしょうか?

と訪ねてくれた。

なんと!

「コーヒーバッハの田口護」の講演会だった。

 

たとえ、有料であっても参加したかったが、

会場は名古屋で、

しかも参加費は無料だった。

 

目的はひとつしかなかった。

焙煎した豆を品評して欲しかった。

ご来店頂いたお客様にはおいしいと評価して頂いているが、

果たして??

 

会場は普通の会議室。

長テーブル数十台が並べられて、

皆さん、もっと前に詰めてくださいよ!

とアナウンスがあったくらい空きが多かった。

 

目立たないように、私は一番後ろの席に座ったため、全体が

よく見渡せるロケーションであった。

 

来場者の中には

ヒマラヤ美術館内の喫茶の○○先生、

その後、頭角を現し、楽天の通販で数年一位を独占しることになる

○○コーヒーのオーナーの姿があったが、

あとは、いわゆる枯れ木も山のにぎわい。

その当時風の喫茶店を経営しているおばちゃんが多く、

殆ど関心がないのではと思える雰囲気だった。

 

冒頭に主催者の代表から簡単なあいさつがあり、

その後「田口護」さんから

「皆さんはご存じないと思いますので、ご説明しますと、

出店は立地が大事といわれていますが、私は最低の立地で営業しています。」

あしたのジョーの舞台になったなみだ橋で有名な、いわゆる日雇い労働者が多い地域です。」

 

あ、そういえば‥‥

興味深い内容も多くあり、割愛するのはもったいないため、

詳しくはまた次回にします。

 

講演の最後に質問のコーナーがありましたが、

「早く終わってくれ!」

と祈り、

来場者が空になった後、

「田口護」さんに直にお願いをする事にした。

2袋焙煎豆を持参していた。

 

「先生、焙煎したこの豆の悪いところを指摘して頂きたいんですが?」

 

田口護さんはいかにも、職人という手をされていて、

私の様な美しい指ではなかった。

 

手のひらに焙煎豆を乗せて、

 

「炒りムラがあるね、根本的にだめだね!」

そういうのを想像していた。

 

それが、

「え!どうやって焙煎してるの!」

「上手に水分がぬけてるけど!!」

「こっちはナチュラルでしょ。」「こっちはウオッシュ。」

「浅煎りなのにどうやったら、こんなにうまく水分が抜けるの?」

 

悪い所を指摘して欲しいんですけど‥‥。

 

???さっぱりわからなかった。

 

田口護先生のおっしゃるには

「浅煎りはうまく出来ている」

けど「浅煎りでは商売にならない」

小さくつぶやくように、

「玄人は深煎りだよ!」

「深煎りを研究した方が商売になる」

 

え!深煎り!!!